3DCGを活かした化粧品開発の新たなアプローチを世界に提案

ナリス化粧品は、11月1日にブラジル・リオデジャネイロで開催されたIFSCC(国際化粧品技術者会連盟)2013で、関西学院大学 理工学部 長田典子研究室との共同研究である「3DCGシミュレーションを用いた真珠肌ベースメーク料開発への取り組み」についてポスター発表を行ないました(特許出願済)。11月29日には東京で行われる「IFSCC 2013 国内報告会」(日本化粧品技術者会主催)に登壇します。IFSCCは化粧品技術発展のため国際的な情報共有化を目的に1959年に設立された技術者の連合組織で、現在は47カ国に総会員数約16,000名が所属しています。研究発表会は毎年各国で開催され、今回のブラジルでも世界中から200を超える最新の研究成果が発表されました。

 

3DCGimg 画像作成には3DCG作成ソフトウェアMAYAを用いた

 

本研究テーマは、なめらかな輝きや奥深い光沢を持つ真珠の魅力は、まさに女性が肌に求める理想の美しさではないかという仮説を研究起点に、それを科学的に分析するため精密なシミュレーションが可能となる3DCGの技術を活用したものです。真珠光学現象のシミュレーション、CG画像化を先行研究していた長田研究室と共同で、その物理的に再現された紫綬の輝きの複数パターンを顔画像(バイオスキンドールの形状・質感・表面光学特性を3DCGで再現)に重ね、女性215名に協力を得て評価、分析しました。その結果、複雑な曲面を持つ顔上では特徴的な真珠の光学現象「にじみ」が最も他者の印象に良い影響を与えることが分かりました。なお、「にじみ」とは、多層構造を持つ真珠の内部で光が反射、透過を繰り返すことによって生まれる光の広がりであることが分かっています。

 

Exif_JPEG_PICTURE

「真珠肌」が魅力的だと思うのは30代の透明感のある肌に憧れる専業主婦層

本研究開始にあたっては、まずは20~50代の女性800人にアンケートを実施。「真珠の輝きの原理を応用したベースメーク」に対する意識調査を行ったところ、6割以上の人が「魅力的である」もしくは「やや魅力的である」と回答しました。そのうち、「魅力的である」と回答した82人の傾向を見ると、30代・専業主婦の割合が高く、透明感がありながら明るく輝き、ふっくらとした立体感のある肌に憧れていることが分かりました。一方、3DCGシミュレーションでは「にじみ」の強度をあげると「仕上がり感」「ツヤ感」「肌色の好み」「テカリ感」「透明感」といった項目の印象が高くなる結果が出ています。今後はこうした一定のニーズや傾向と「真珠肌」の定義に基づき新規素材の研究を進め、効果的な「にじみ」を実現するファンデーションなど、ベースメーク製品開発に活かしていく予定です。

 

 

【参考資料】

◆3DCGとは

Three dimentional computer graphics(三次元コンピューターグラフィックス)の略であり、コンピューターグラフィックスを用いて立体的に物体を描く技術。最近はゲームや映画などでも活用されている。

 

◆関西学院大学 理工学部 長田典子研究室

感性情報を利用したより良いメディア表現を研究している研究室で、主観的な情報である感性情報を理解・表現するコンピュータを目指して、CG・色彩・音楽・マルチメディア・心理・脳など多方面からアプローチしています。

<研究例>

テレビCMが挿入されるタイミングが子供の心に与える影響を考察

CGでカーテンの質感をリアルに表現する技術を開発 など

 

◆「第73回SCCJ研究討論会」および「IFSCC 2013 国内報告会」

開催日:2013年11月29日(金)

会 場:きゅりあん(品川区立総合区民会館)